ブルゴーニュ・ボジョレー地方
歴史
ブルゴーニュ・ボジョレー地方のワインの歴史は、古代ローマ時代にまでさかのぼります。ローマ人が現在のブルゴーニュ地方にブドウ栽培を広め、修道院文化が発展した中世には、シトー会やベネディクト会の修道士たちが畑の区画や醸造技術を体系化しました。これによりテロワールの概念が確立され、銘醸地としての評価が高まります。一方、ブルゴーニュ南部に位置するボジョレーでは、花崗岩質土壌を生かしたガメイ種の栽培が進み、庶民的で親しみやすいワインが発展しました。19世紀には鉄道の普及でパリ市場への供給が拡大し、20世紀後半には「ボジョレー・ヌーヴォー」が世界的に流行。現在では、伝統と革新が共存する産地として、品質重視の動きも強まっています。
気候、地理
フランス中東部に南北約230kmに細長く広がる産地で、冷涼な大陸性気候が特徴です。春の遅霜や夏の雹、収穫期の降雨など、年ごとの気候変動が大きく、ヴィンテージ差が生まれやすい地域として知られています。ブルゴーニュ北部は石灰質を主体とする土壌が多く、なだらかな丘陵の東向き斜面に畑が集中し、日照と水はけに恵まれています。一方、南部のボジョレーは花崗岩質土壌が中心で、丘陵地が連なり、やや温暖で果実味豊かなブドウが育ちます。こうした気候と地理の違いが、繊細でエレガントなブルゴーニュと、軽快で親しみやすいボジョレーという個性を生み出しています。
現在
伝統を重んじながらも大きな転換期を迎えています。ブルゴーニュでは区画ごとの個性を尊重する姿勢が一層強まり、自然酵母発酵や低介入醸造、有機・ビオディナミ農法を取り入れる生産者が増加しています。一方で、世界的な評価の高まりにより価格高騰や入手困難といった課題も抱えています。ボジョレーでは、かつてヌーヴォーの大量生産のイメージが先行しましたが、近年はクリュ・ボジョレーを中心に、ガメイのポテンシャルを追求する高品質ワインが再評価されています。若手生産者の参入や輸出市場の拡大も進み、両地域ともに「量より質」を重視した持続可能な産地づくりが進展しています。