主にフランス・ローヌ地方北部を原産とする白ワイン用ブドウ品種である。かつては栽培の難しさと収量の不安定さから絶滅寸前まで減少したが、その芳醇で個性的な香味が再評価され、現在では世界各地で栽培されている。とりわけコンドリューやシャトー・グリエといったアペラシオンは、ヴィオニエ単一で造られる高品質ワインとして知られる。
ヴィオニエの最大の特徴は、アプリコットや白桃、洋梨といった熟した果実の香りに、スミレやオレンジの花のフローラルな要素が重なる点にある。さらに、アーモンドや蜂蜜、スパイスのニュアンスが感じられることも多く、非常に表情豊かなアロマを持つ。酸は穏やかで、アルコール度数が高くなりやすく、口当たりはなめらかで厚みのある味わいが特徴である。
栽培面では、完熟の見極めが難しく、収穫時期を誤ると香りが乏しくなったり、重たさだけが強調されたりするため、生産者の技量が問われる品種でもある。近年はフランス以外にも、オーストラリア、アメリカ、チリ、日本などで多様なスタイルのヴィオニエが造られている。料理との相性も幅広く、白身肉、アジア料理、香草を使った日本食などと好相性を示す、個性と包容力を併せ持つ白ワインである。
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