フランス・アルザス地方を代表する白ブドウ品種で、芳醇で華やかな香りを持つことで世界的に知られています。「ゲヴュルツ」とはドイツ語で「スパイシー」を意味し、その名の通り、香り高く個性の強いワインを生み出します。アルザスでは単一品種で造られることが多く、辛口から甘口まで多様なスタイルが存在します。
香りの特徴は非常に豊かで、ライチやバラの花、熟した白桃、アプリコット、スパイスやジンジャー、時にはハチミツやトロピカルフルーツのニュアンスが感じられます。冷涼で乾燥したアルザスの気候は、果実の香りを引き立て、酸と甘みのバランスが良いワインを造るのに最適です。辛口タイプではハーブや柑橘の爽やかさも感じられ、甘口タイプでは貴腐ワインのような濃厚さと芳醇さが際立ちます。
ゲヴュルツトラミネルは醸造の自由度も高く、ステンレスタンクによるフレッシュな仕上げから樽熟成による厚みのあるスタイルまで、造り手の個性によって幅広い表現が可能です。食事との相性も多彩で、エスニック料理、辛味のあるアジア料理、フォアグラやチーズ、フルーツを使ったデザートなどと非常に良く合います。
近年はドイツやアメリカ、ニュージーランドでも栽培されており、アルザス以外の地域でも華やかで個性的なワインが造られています。その芳醇な香り、甘みと酸のバランス、スパイシーさを兼ね備えた特徴から、世界中のワイン愛好家に愛される品種であり、アルザス地方のワイン文化を象徴する品種の一つです。